無頭エビ100g
2024年5月の平均価格339円
最高値358
最安値307
- 物価高騰📈ランキング
- 126全146項目調査中コロナ禍前からの上昇率107%
エビは90%以上が輸入で、多く流通してる種類は、バナメイエビとブラックタイガーです。エビ養殖は1938年に日本でクルマエビの完全養殖に成功し、その後、その技術が1970年代に台湾に渡りブラックタイガーの養殖法を確立。さらにフィリピン、ベトナムをはじめ東南アジア諸国に伝わりました。
ただし、エビの養殖は治療法が確立されていないウイルスによる疾病が多く報告されているため、日本国内での養殖はほとんど行われてきませんでした。また、東南アジア諸国での養殖が盛んになっていくに連れ、マングローブを切り開いて大きな池をつくる環境破壊を起こす原因にもなり、ウィルスが出ないように飼料に抗生物質も投与して養殖されたことから、養殖エビの多くはリスクのある可能性がある頭をとって無頭の状態で販売されることが多くなりました。
バナメイエビは、メキシコからペルーにかけての太平洋東岸に分布し、日本ではインド、インドネシア、ベトナムなどで養殖されたものを多く輸入しています。世界最大の養殖国は中国ですが、養殖されたバナメイエビはすべて自国内で消費され、それでも消費が足りず、中国は東南アジア諸国からもバナメイエビを大量輸入しています。また、欧米人も高たんぱく・低糖質・低脂質・低カロリーであることからバナメイエビを大量輸入するようになりました。
ブラックタイガーは、インド太平洋の熱帯・亜熱帯域に広く分布し、1970年代に台湾に渡りブラックタイガーの養殖法が確立されましたが、甲殻類に感染するウイルスが原因で、台湾のブラックタイガー養殖は1988年に崩壊しました。養殖法は東南アジア諸国にも伝わっていましたが、ウイルスによる被害が毎年のように出て、2004年にベトナム全土で壊滅的な打撃を与えました。そのため2004年頃から、ブラックタイガーよりもウイルス感染に強く、繫殖力もあり育成しやすい、より安価であることからエビ養殖はブラックタイガー養殖からバナメイエビ養殖へとシフトいきました。
エビ(海老)の高騰・値上がり理由
- 国内のエビの水揚げ量は年々減少しており、国産のエビは高騰が続いている。国内でのエビの不漁のはっきりとした理由は不明であるが地球温暖化による海水温の上昇、加えて2017年8月下旬から続いている黒潮の分流の侵入によって海水温が上昇する黒潮の大蛇行の影響とされる。
- エビの年間消費量のうち国内での水揚げ量は5%未満で、90%以上は輸入頼りで、円安が進むほどに、輸入価格が上昇した。
- 高たんぱく・低糖質・低脂質・低カロリーであることからエビを食べる国が増加し、欧米と中国では経済成長に伴いエビの消費量が急拡大しエビが爆買いされ、消費量が世界的に増加したことでエビの価格が高騰した。
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エビ(海老)の国内自給率・輸入割合
エビ(海老)の国内自給率・輸入割合は、自給率が4%、輸入が96%で、輸入が圧倒的に多く、輸入頼りになっています。
エビ(海老)の国内水揚量 (2021年)
1位 | 佐賀県 2,307t (18.3%) |
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2位 | 兵庫県 1,221t (9.7%) |
3位 | 北海道 1,165t (9.2%) |
4位 | 愛知県 882t (7%) |
5位 | 石川県 782t (6.2%) |
6位 | 富山県 645t (5.1%) |
7位 | 愛媛県 586t (4.6%) |
8位 | 福井県 465t (3.7%) |
9位 | 静岡県 424t (3.4%) |
10位 | 広島県 391t (3.1%) |
... | |
総水揚量 | 12,626t |
無頭エビ100gの平均価格(相場)
2019年集計 | 315円 |
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2019年1月 | 319円 |
2019年2月 | 318円 |
2019年3月 | 319円 |
2019年4月 | 315円 |
2019年5月 | 316円 |
2019年6月 | 313円 |
2019年7月 | 311円 |
2019年8月 | 311円 |
2019年9月 | 315円 |
2019年10月 | 313円 |
2019年11月 | 315円 |
2019年12月 | 320円 |
2020年集計 | 312円 |
2020年1月 | 318円 |
2020年2月 | 314円 |
2020年3月 | 311円 |
2020年4月 | 308円 |
2020年5月 | 313円 |
2020年6月 | 311円 |
2020年7月 | 311円 |
2020年8月 | 313円 |
2020年9月 | 317円 |
2020年10月 | 313円 |
2020年11月 | 308円 |
2020年12月 | 312円 |
2021年集計 | 310円 |
2021年1月 | 314円 |
2021年2月 | 308円 |
2021年3月 | 309円 |
2021年4月 | 307円 |
2021年5月 | 311円 |
2021年6月 | 311円 |
2021年7月 | 309円 |
2021年8月 | 309円 |
2021年9月 | 310円 |
2021年10月 | 310円 |
2021年11月 | 312円 |
2021年12月 | 315円 |
2022年集計 | 324円 |
2022年1月 | 312円 |
2022年2月 | 317円 |
2022年3月 | 315円 |
2022年4月 | 319円 |
2022年5月 | 317円 |
2022年6月 | 322円 |
2022年7月 | 322円 |
2022年8月 | 325円 |
2022年9月 | 327円 |
2022年10月 | 330円 |
2022年11月 | 338円 |
2022年12月 | 349円 |
2023年集計 | 342円 |
2023年1月 | 358円 |
2023年2月 | 346円 |
2023年3月 | 343円 |
2023年4月 | 344円 |
2023年5月 | 343円 |
2023年6月 | 339円 |
2023年7月 | 337円 |
2023年8月 | 337円 |
2023年9月 | 341円 |
2023年10月 | 337円 |
2023年11月 | 333円 |
2023年12月 | 347円 |
2024年集計 | 338円 |
2024年1月 | 346円 |
2024年2月 | 331円 |
2024年3月 | 335円 |
2024年4月 | 337円 |
2024年5月 | 339円 |
無頭エビ100gの最高値は2023年1月に358円、最安値は2021年4月に307円で最高値と最安値の価格差は51円ありました。最新調査月である2024年5月現在の平均価格は339円です。コロナ禍前と比較した場合に107%平均価格が上昇しました。
関連品目
出典
- ・小売物価統計調査 1114 エビ - 輸入品・冷凍・「パック包装」又は「真空包装」・無頭・100g。
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003421913 - ・グラフと統計でみる農林水産業
https://www.machimura.maff.go.jp/machi/ranking/index.php