食用油(キャノーラ油)1本1,000g
2024年5月の平均価格435円
最高値486
最安値270
- 物価高騰📈ランキング
- 18全146項目調査中コロナ禍前からの上昇率155%
食用油脂には、動物から抽出される動物油脂と植物から抽出される植物油脂があります。動物油脂は、ラードや牛脂など常温で固まる特徴をもっているようにLDL-コレステロールを増やすとされるパルミチン酸という飽和脂肪酸を多く含むため、摂取しすぎないように調理用油としては植物油脂が利用されることがほとんどです。
植物油脂には、アブラヤシの果実から得られるパーム油(パームオイル)、大豆の種子から得られる大豆油、セイヨウアブラナの種子か得られる菜種油、ひまわりの種子から得られるひまわり油(サンフラワーオイル)、オリーブの果実から得られるオリーブ油(オリーブオイル)、トウモロコシの胚芽から得られるコーン油、ゴマの種子から得られるごま油、玄米を精米する時に発生する米ぬかから得られるこめ油、紅花の種子から得られる紅花油(サフラワーオイル)、ヨーロッパブドウの種子から得られるぶどう油(グレープシードオイル)、ココヤシの果実であるココナッツの胚乳から得られるヤシ油(ココナッツオイル)、綿をとったあとの綿花の種子から得られる綿実油、落花生の種子から得られる落花生油などの種類があります。
精製された植物油脂は淡色で特有の香りがあり、異味のない食用油となります。てんぷら油(揚げ油)には、大豆油、菜種油、ゴマ油、こめ油を配合した調合油が用いられます。サラダ油には、ドレッシングの原料になったり、生食するため、色が薄く、無味無臭でクセがないものが要求され、オリーブ油、コーン油、菜種油、大豆油、こめ油が用いられます。
日本ではてんぷら油(揚げ油)やサラダ油のどちらにも用いられる菜種油が食用油の全生産量の6割を占めています。菜種油の中でも、セイヨウアブラナを品種改良させたキャノーラ種の種子から採油された菜種油の一種であるキャノーラ油が使用されています。キャノーラ種には、セイヨウアブラナの中に含まれる体に良くないと言われる成分、エルカ酸とグルコシノレートが含まれないように品種改良されています。
食用油の高騰・値上がり理由
- 日本では食用油のほぼ全量を輸入に頼っており、食用油はドミノ倒しのような状況で次々国際価格が値上がりした。
- 包装容器の原料である合成樹脂の高騰に伴い包装資材費が上昇した。
菜種油(キャノーラ油)の高騰・値上がり理由
- 日本ではキャノーラ油のほぼ全量を輸入に頼っており、産地であるカナダでは2021年・2022年と続けて地球温暖化の影響などによる異常気象で不作、ウクライナでは2022年2月からロシアによる侵攻によって輸出を停止となったことで、オーストラリア産キャノーラ油に需要が集中したことでキャノーラ油の国際価格が高騰した。
- キャノーラ油はドル決済のため、円安が進行するほど、ドル建てキャノーラ油の輸入価格が高騰した。
大豆油の高騰・値上がり理由
- 大豆の世界最大の産地であるブラジルで地球温暖化による降雨不足の天候不順が影響して不作となったことで、供給懸念から大豆の国際価格が上昇した。
- 大豆の世界最大の輸入国は中国であり、中国の経済が成長し、国民生活が豊かになるにつれ中国国内での食肉消費量が増加し、大豆油を搾油した残りの大豆ミールを豚や鶏の家畜への栄養豊富な飼料として与えて、より多くの食肉を生産する動きが活発になったことに伴う大豆需要の増加が、大豆の国際価格を上昇させた。
- 脱炭素の潮流を背景に大豆の種子から得られる大豆油が液体バイオマス燃料向けに需要が増加し、大豆の国際価格が上昇した。
- 大豆はドル決済のため、日本にとっては円安が進行するほど、ドル建て大豆の輸入価格が高騰した。
オリーブ油(オリーブオイル)の高騰・値上がり理由
- 産地であるスペインをはじめとした欧州地中海沿岸地域を地球温暖化による熱波や干ばつが連続して襲い深刻な不作が影響し、オリーブ油(オリーブオイル)の国際価格が高騰した。
- オリーブ油(オリーブオイル)はドルやユーロ決済のため、日本にとっては円安が進行するほど、オリーブ油(オリーブオイル)の輸入価格が高騰した。
パーム油の高騰・値上がり理由
- 他の植物油脂が高騰したことで、パーム油に需要が集中し、パーム油需給逼迫からパーム油の国際価格が高騰した。
- パーム油は、カップ麺やスナック菓子、チョコレート、アイスなどの加工食品だけでなくシャンプーやボディーソープの原料に用いられ、他の植物油脂に変更すると製品そのものの特徴が変わってしまうため、代替することができずパーム油の需給逼迫は高値のままで下がらない状態が続いた。
- 産地であるスペインをはじめとした欧州地中海沿岸地域を地球温暖化による熱波や干ばつが連続して襲い深刻な不作が影響し、オリーブ油(オリーブオイル)の国際価格が高騰した。
- オリーブ油(オリーブオイル)はドルやユーロ決済のため、日本にとっては円安が進行するほど、オリーブ油(オリーブオイル)の輸入価格が高騰した。
パーム油の高騰・値上がり理由
- 他の植物油脂が高騰したことで、パーム油に需要が集中し、パーム油需給逼迫からパーム油の国際価格が高騰した。
- パーム油は、カップ麺やスナック菓子、チョコレート、アイスなどの加工食品だけでなくシャンプーやボディーソープの原料に用いられ、他の植物油脂に変更すると製品そのものの特徴が変わってしまうため、代替することができずパーム油の需給逼迫は高値のままで下がらない状態が続いた。
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食用油の国内自給率・輸入割合
食用油の国内自給率・輸入割合は、自給率が2%、輸入が98%で、輸入が圧倒的に多く、輸入頼りになっています。
食用油(キャノーラ油)1本1,000gの平均価格(相場)
2019年集計 | 281円 |
---|---|
2019年1月 | 282円 |
2019年2月 | 283円 |
2019年3月 | 280円 |
2019年4月 | 281円 |
2019年5月 | 280円 |
2019年6月 | 280円 |
2019年7月 | 282円 |
2019年8月 | 280円 |
2019年9月 | 280円 |
2019年10月 | 281円 |
2019年11月 | 280円 |
2019年12月 | 278円 |
2020年集計 | 278円 |
2020年1月 | 279円 |
2020年2月 | 279円 |
2020年3月 | 280円 |
2020年4月 | 280円 |
2020年5月 | 280円 |
2020年6月 | 276円 |
2020年7月 | 278円 |
2020年8月 | 276円 |
2020年9月 | 276円 |
2020年10月 | 276円 |
2020年11月 | 276円 |
2020年12月 | 274円 |
2021年集計 | 296円 |
2021年1月 | 275円 |
2021年2月 | 274円 |
2021年3月 | 270円 |
2021年4月 | 273円 |
2021年5月 | 275円 |
2021年6月 | 284円 |
2021年7月 | 288円 |
2021年8月 | 301円 |
2021年9月 | 315円 |
2021年10月 | 327円 |
2021年11月 | 334円 |
2021年12月 | 336円 |
2022年集計 | 413円 |
2022年1月 | 347円 |
2022年2月 | 357円 |
2022年3月 | 367円 |
2022年4月 | 374円 |
2022年5月 | 378円 |
2022年6月 | 386円 |
2022年7月 | 402円 |
2022年8月 | 441円 |
2022年9月 | 466円 |
2022年10月 | 476円 |
2022年11月 | 482円 |
2022年12月 | 479円 |
2023年集計 | 474円 |
2023年1月 | 484円 |
2023年2月 | 485円 |
2023年3月 | 486円 |
2023年4月 | 483円 |
2023年5月 | 486円 |
2023年6月 | 479円 |
2023年7月 | 475円 |
2023年8月 | 469円 |
2023年9月 | 466円 |
2023年10月 | 464円 |
2023年11月 | 455円 |
2023年12月 | 450円 |
2024年集計 | 440円 |
2024年1月 | 447円 |
2024年2月 | 446円 |
2024年3月 | 436円 |
2024年4月 | 436円 |
2024年5月 | 435円 |
食用油(キャノーラ油)1本1,000gの最高値は2023年3月に486円、最安値は2021年3月に270円で最高値と最安値の価格差は216円ありました。最新調査月である2024年5月現在の平均価格は435円です。コロナ禍前と比較した場合に155%平均価格が上昇しました。
関連品目
出典
- ・小売物価統計調査 1601 食用油 - キャノーラ油・ポリ容器入り(1000g入り)・1本
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003421913 - ・植物油脂にいたっては 2%と非常に低い値となっています。
https://www.yushikaikan.or.jp/pdf/kenkyukai20.pdf