化学肥料(窒素肥料・尿素)1kg
2024年5月の輸入価格62円
最高値117
最安値32
- 物価高騰📈ランキング
- 15全146項目調査中コロナ禍前からの上昇率162%
植物には17種類の元素が必要とされます。うち炭素(C)、酸素(O)、水素(H)の3元素については水と空気から吸収されるので肥料として与える必要はありません。
窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)の3元素は肥料として特に大量に必要とされるため肥料三要素と呼ばれます。次いでカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S)の3元素が必要とされ、中量要素と呼ばれます。ただし硫黄(S)については、通常は土に十分量が含まれているので、肥料として気にすることはあまりありません。そのため窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)までを含めて肥料五大要素と呼ばれることもあります。
残りの鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、ホウ素(B)、モリブデン(Mo)、塩素(Cl)、ニッケル(Ni)の8元素も必須ですが、少量しか必要とせず微量要素と呼ばれます。実際に肥料として施す場合には、元素としてではなく、化学的に合成、あるいは自然の鉱物を化学的に加工して作った化合物である化学肥料の形で行われます。
化学肥料の主な種類
窒素肥料 | 尿素、硫安、硝安、石灰窒素などの窒素(N)を主成分とする肥料 |
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リン酸肥料 | 過リン酸石灰、熔成リン肥などのリン(P)を主成分とする肥料 |
カリウム肥料 | 硫酸カリウム、塩化カリウムなどのカリウム(K)を主成分とする肥料 |
石灰質肥料 | 消石灰、炭酸カルシウムなどのカルシウム(Ca)を主成分とする肥料 |
苦土肥料 | 水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム(Mg)を主成分とする肥料 |
微量要素肥料 | 硫酸マンガン、ほう砂、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛など |
化学肥料の高騰・値上がり理由
日本では化⽯燃料(原油・天然ガス・石炭)や鉱物資源(鉱⽯から採取するリンや塩化カリウム)を原料とする化学肥料のほぼ全量を輸入に頼っていることが前提にある。
- 化⽯燃料(原油・天然ガス・石炭)は、新型コロナウイルス感染症拡大により停滞していた経済活動の再開による急な需要拡大が発生したことに加えて、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、侵攻に対する経済制裁として欧米諸国がロシアの原油の輸入をやめたことで、市場に出てくる原油が減ったことで、化石燃料の国際価格が高騰した。
- リンは、9割を中国から輸入していたが中国が自国内の食物生産を優先するために国外へのリンの輸出を制限したことでリンの国際価格が高騰した。
- 塩化カリウムは、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、侵攻に対する経済制裁として欧米諸国がロシアの塩化カリウムの輸入をやめたことで、市場に出てくる塩化カリウムが減ったことで、塩化カリウムの国際価格が高騰した。
- 円安のため、円安が進むほどに、化学肥料の輸入原料価格が上昇した。
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化学肥料の国内自給率・輸入割合
化学肥料の国内自給率・輸入割合は、自給率が50%、輸入が50%で、
日本の化学肥料国別輸入量 (2020年)
1位 | マレーシア 11万1,000t (48.5%) |
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2位 | 中国 97,000t (42.4%) |
3位 | カタール 16,000t (7%) |
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総輸入量 | 22万9,000t |
化学肥料(窒素肥料・尿素)1kgの平均価格(相場)
2019年集計 | 38円 |
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2019年1月 | 39円 |
2019年2月 | 40円 |
2019年3月 | 40円 |
2019年4月 | 39円 |
2019年5月 | 38円 |
2019年6月 | 40円 |
2019年7月 | 39円 |
2019年8月 | 37円 |
2019年9月 | 36円 |
2019年10月 | 39円 |
2019年11月 | 35円 |
2019年12月 | 37円 |
2020年集計 | 34円 |
2020年1月 | 37円 |
2020年2月 | 34円 |
2020年3月 | 35円 |
2020年4月 | 34円 |
2020年5月 | 33円 |
2020年6月 | 32円 |
2020年7月 | 33円 |
2020年8月 | 33円 |
2020年9月 | 35円 |
2020年10月 | 34円 |
2020年11月 | 35円 |
2020年12月 | 37円 |
2021年集計 | 59円 |
2021年1月 | 35円 |
2021年2月 | 39円 |
2021年3月 | 42円 |
2021年4月 | 45円 |
2021年5月 | 43円 |
2021年6月 | 49円 |
2021年7月 | 55円 |
2021年8月 | 56円 |
2021年9月 | 57円 |
2021年10月 | 77円 |
2021年11月 | 103円 |
2021年12月 | 110円 |
2022年集計 | 102円 |
2022年1月 | 109円 |
2022年2月 | 96円 |
2022年3月 | 91円 |
2022年4月 | 117円 |
2022年5月 | 113円 |
2022年6月 | 102円 |
2022年7月 | 94円 |
2022年8月 | 91円 |
2022年9月 | 101円 |
2022年10月 | 105円 |
2022年11月 | 105円 |
2022年12月 | 98円 |
2023年集計 | 68円 |
2023年1月 | 81円 |
2023年2月 | 88円 |
2023年3月 | 64円 |
2023年4月 | 56円 |
2023年5月 | 63円 |
2023年6月 | 62円 |
2023年7月 | 58円 |
2023年8月 | 67円 |
2023年9月 | 66円 |
2023年10月 | 73円 |
2023年11月 | 71円 |
2023年12月 | 63円 |
2024年集計 | 67円 |
2024年1月 | 64円 |
2024年2月 | 69円 |
2024年3月 | 72円 |
2024年4月 | 69円 |
2024年5月 | 62円 |
化学肥料(窒素肥料・尿素)1kgの最高値は2022年4月に117円、最安値は2020年6月に32円で最高値と最安値の価格差は85円ありました。最新調査月である2024年5月現在の輸入価格は62円です。コロナ禍前と比較した場合に162%輸入価格が上昇しました。